フルーツ王国山梨の中でも、市場の専門家や県内の人達が一番おいしいと認める「いちのみやブランド」。何故わざわざ一宮を指定するのか、それは単純に食べ比べておいしいからです。その味の違いがどこから来るのかを検証してみましょう。
・・・土地が作ってくれる芸術品・・・
- 扇状地
- これが決定打!全国有数の扇状地で砂を多く含むため水はけがよく地温が高くて有機物の分解が早いそうです。また通気がよくて根の酸素要素が多いので、甘みを凝縮させられるのです。この土壌こそが一番の決め手です。
- 日照時間
- 山梨県は日照時間が日本一。そのために最近注目の太陽光発電の研究拠点は山梨に置かれているんです。太陽の恵みは果物にとって何よりのプレゼントですね。
- 降雨量
- 年間の降雨量がとても少なく、日本中雨なのにこの辺りだけ降らないということも多々あります。果物にとっては甘みが増大する大きな要因というわけです。
- 寒暖差
- 一宮は山梨の中でも標高が高いため、夏と冬の寒暖差・昼と夜の寒暖差がとても大きく、これがおいしさを決定づけるのです。
- 水と空気
- 畑灌(はたかん)という優れた灌漑システムが整っていて、平成の名水百選に選ばれた西沢渓谷を源流とする農業用水が常に供給されていますので、土から吸い上げる水もおいしい、澄んだ空気もおいしい、だから果物もおいしい。
働く人には過酷な条件が果物にとっては最適な環境になるんですね。そこに職人の技が加えられ、まさに世界に誇る味と品質が生まれると自負しています。土壌や地形が与えてくれる恵みに感謝し、愚直に取り組めば自然と良いものができてくるという幸運を奢らず享受していけたらと思っています。
とにかくそのおいしさをお伝えしたい。そして消費者の皆様には、誇りを持ってその味を伝承したいと思う後継者を育てていただきたい。おいしいものをおいしいと認めていただければ、きっとやる気満々の農業者が増えて、もっともっといいものを作るようになります。果物づくりは難しく、一人前になるのに何年もかかりますが、頑張る元気の源はやっぱり「おいしい〜!」の一言なのです。